謙虚にして驕らず

充実した日々を目指して。

カードゲームとインフラ(2)

この記事は、

 

rockfield.hatenablog.com

 の続きです。お付き合いください。

 

  • インフラってなんぞや

カードゲームとはインフラビジネスである。じゃあインフラって何?

結構よく聞く言葉ではありました。土台?的なニュアンスかなとは思っていましたが、人に説明できるほどの理解はありませんでした。

 

kotobank.jp

産業や社会生活の基盤となる施設。英語のインフラストラクチャーの略。電気、石油、ガスといったエネルギー関連のほか、学校や病院など生活に必要な社会資本も含まれる。

一言で言えば、やっぱり土台。環境。

何かを考えた時にソレがないと成立しないもの。

先日、ソフトバンクの回線が落ちたことも、現代社会におけるインフラの脆弱性が露呈した、という扱いがされていました。(細かい定義はご容赦を)

現代社会において、電話回線、インターネットは完全に生活の土台。それがあることが環境となっています。

その『インターネット』というインフラが乱れた事により、今この時代にいる『日本人』という存在はダメージを受けました。

でもこれ、必ずしも全人類が影響を受けるわけではありません。

今でもインターネット等に頼らずに生活している人は、世界を見れば沢山居ます。

その人達に取っては、『インターネット』なんてものはあってもなくても関係ないです。つまりインフラではない。

インフラというのは、「特定の人、物」に対する、「生活の土台」なんだなあ、と、この言葉を調べた時に僕は解釈しました。

 

  • シャドウバースとの出会い

シャドウバースがサービス開始され、Twitterに流れてくるプレイ画面を見て、僕はノータイムで飛びつきました。最初のチュートリアルの段階でもう感動。完全にTCGだ。

しかも、TCGプレイヤーとしては常識的に考えてありえない挙動が普通に起こる。デッキに入っていないカードが手札に加わったり、デッキの中の特定の枠組みからランダムでカードが手札に加わったり、場に出たりするのである。

この段階で、DCG(デジタルカードゲーム)の凄さに感動した。ゲームの中の挙動としては、至って当たり前な事なのに、TCGの常識を大きくぶち破ったものの用に思えた。

(後にMTGを触れてから思ったのは、自分のTCG歴の中にトークンという概念がほぼなかったのも要因だった)

あらゆるソシャゲにクソ課金してきて、課金という行為に一切の抵抗がなかった当時の僕は即座にスタンダードパックをある程度購入し、色々なデッキを組んで遊んだ。

しかし全然勝てない。元々、デッキを組む行為があまり得意でなかった。すぐさまネットで調べると、HS(ハースストーン)やMTGのプレイヤーの方々がすでにレシピを載せていたりした。よくわからないけど、きっと強い人たちなのだろうと思い、即コピー。そしてランクマッチに潜る。

しばらくランクマッチをやっていて、B帯に上がった頃。またあることに気づく。

B帯という全体からみたら確実に下位の層であるにもかかわらず、対戦相手がほぼ全員ガチデッキなのである。これは非常にすごいことだと思った。

ヴァンガードで大型大会に出た際にでも、結構ファンデッキや、独自のガチ目線構築と当たることは多かった。環境上位デッキに当たることのほうが少なかった。

なのに、下位ランクの段階でほぼ全員ガチデッキだったという事実は、シャドバ=DCGが齎したとても大きな効果だったのではないかと、この頃から感じた。

加えて、その当時のAA最上位帯(現グラマス相当?)のデッキと、B帯で使われているデッキが自他共に同レベルの構築であるのにもかかわらず、明確に勝敗に差がついていることから、プレイングの重要さというものをより強く意識した。

 

  • 周囲の環境によって変化するもの

子供の頃、出たての遊戯王やデュエマをやっているときには、好きなカードの寄せ集めで非常に拮抗した勝負をしていた。

中学になって、デュエマをやる相手が増えた時、一人だけものすごい強い奴がいた。いわゆるガチ勢だった。その人が何故そんなに強いのかということもそうだったが、どうして同じゲームをしていてそこまで別次元の動きをするのかが不思議で仕方なかった。

高校の時に何度かデュエマでショップの大会に出ようと思った時は、あまりのその空気感の差に気後れした。

大人になって、先輩とヴァンガードを初めた時、お互いにどんどん強いデッキになっていった。大会にはほとんど出たことがない先輩だったが、使っているデッキは一級品だった。

ヴァンガードをどんどんやっていくにつれ、次第に最新のカードでしっかり組みきったデッキを使うようになっていた。しかしそれは環境上位のデッキとういうわけではなかった。

大人になって改めてデュエマを同僚と初めた時も、最初はお互いにファンデッキだったが、お互いに勝とうとしていくうちにどんどん構築はガチデッキへと変化していった。

デッキのガチさというものは、見の周りの環境によって大きく変わっていく。

そもそも、TCGで遊べるかどうかも、身の回りの環境によって大きく変わってくる。

これがカードゲーマーにおけるインフラという物なのかもしれないと、この頃から思い始めました。

 

・ランクマッチというインフラ

カードショップは、カードゲーマー全てにおけるインフラである。

前提としてあるのはそもそもここになる。カードショップがなければ、そもそもカードも買えない。店舗大会がなければ、身内で遊ぶしかない。身内でしか遊ばないのであれば、強い構築というものを求める必要も起きなくなる可能性がある。あったとしても、そこに辿り着くのに多大な時間がかかる可能性がある。

TCGにおけるガチデッキ、ガチプレイヤーと呼ばれるものは、つまるところTCGを勝負事としてプレイしている人の総称である。

お互いに試行錯誤して高め合っていき、結果として強いデッキやプレイが現れる。

それは、お互いに(集団で)同じベクトルに向かって進んでいるため起こる現象である。

その集団は、主に店舗大会等によって形成される。

大会は、知識の向上を求めるプレイヤーにおけるインフラとなる。

そして、店舗大会だけでなく、大型大会、全国大会と環境はどんどん上位に上がっていく。周囲のレベルも、どんどん上がっていく。常識となるレベルも、どんどん上がっていく。

カードゲーマーの中で格差が大きくでるのは、この部分だと思う。

あらゆる遊び方があるTCGの中で、純粋な勝負事としてプレイしている層のみを抽出し、その中でさらにある程度上位の層の中で形成されるわけである。ある程度、慣れや経験がないとそもそも触れられない層である。

 

ところが、ランクマッチというものは違う。

ランクマッチは、最初から勝敗によって結果が明確に出る場である。

ある程度はプレイ回数の差でまかなえるものがあるとしても、上を目指そうとするのであれば、それに伴った行動を取らないと上には上がれないようになっている。

ランクマッチは、初めてすぐの段階で、すでにプレイヤーの意識が従来のTCGの大会レベルからスタートする。

唯でさえ軽いスタートラインの段階から、練り込まれたデッキ同士のぶつかり合いになる上に、加えて、DCG特有の、いつでもすぐにその環境に身を投じれるというかつてない手軽さ。又、その構築が手軽に拾えて即座に組み上げることができるということは、カードゲームという遊びのインフラをものすごい速度で向上させたのではないかと強く思う。

 

更に続きます・・・